絵画鑑賞

 北海道立近代美術館(外部リンク→http://www.aurora-net.or.jp/art/dokinbi/)の特別展「佐伯祐三展」とコレクションギャラリー「はじめに、光ありき」を観てきました。
 佐伯祐三。独特のくすんでざらついた色あいには惹かれましたが、どの絵も同じトーンで、見ていて飽きてしまいました。 特に空のくすんだ暗い色がどれも同じ。 当時のパリは産業革命後のスモッグのため本当にこんな感じだったのかな?とも思ったんですが、日本の風景でも同じくすんだ空。作者の感性のようです。
 そして佐伯祐三の代名詞とも言える、絵の中の文字。店の看板や広告などの文字を絵画に描いているのですが、それは彼の絵がモダンなのではなく、モダンな広告や看板を模写したように見えました。
 そんな中で好感を持ったのは「壁」「工場」という2つの作品です。「壁」は佐伯祐三が権威ある賞を受賞した絵でポストカードなどにもなっていました。絵の中に文字を書き始めた初期の作品。「工場」はやっぱり絵の中に文字を書き込んだ作品。工場といっても機械が描き込まれている訳ではなく、工場の入り口のバラック?が描かれたものです。上手く言えませんがとっても惹かれてずっとこの絵の前で立ち止まっていました。
 油絵特有の凹凸や筆跡1つでリアリティを感じさせる技術には感嘆を覚えました。特に蟹の絵は圧巻でした!
 ……がやっぱり全体的に暗い画風だった印象は拭えない。もう少しルノアールのような明るさがある作品に違いないと先入観をもって観に行ってしまったのが原因かもしれません。