雰囲気が好き

 実家に帰っている間に御手洗潔のメロディを読み返しました。いくつかの短編をまとめた本で、その巻末の作品はレオナ(御手洗さんが解決した事件の当事者。現在ハリウッドを代表する女優)がちょっとした知り合いで、かつ御手洗さんと交流のあるジャーナリストと再開する話なのですが、その中で御手洗さんが石岡くんと出会った頃を語るシーン(ジャーナリストを通じての伝聞形式)があります。
 手元にテキストがないので正確ではありませんが、
「青年の顔は清潔だった。薄い胸元が目の前で動くのを見て胸が苦しくなった。それは穏やかなものではなく、ノックアウトを喰らい続けるような痛みだった。自分の能力は自分のためのものだけではなく、救える誰かのために使うべきだと知った」
 という内容でした。通常は石岡くんが執筆者=一人称のため、石岡くんが御手洗さんをどう思っているかを知る機会は多いけれど、その逆はごくまれ。
 それもこんな風に御手洗さんの人生観を変えるほどの影響を与えたのが、石岡くんだというのが御手洗潔シリーズファンとしては堪らなかった。二人に必ずしもいちゃこらして欲しい訳じゃないんです。こんな風に、ちょっと特別な関係という雰囲気が好き。
 同じことは京極堂シリーズの主人公達にも言えますね。ああ。久しぶりに栗栖健さん京極堂(パロ)SSが読みたくなったので、ちょっくら行ってきます!!