雑感

 ここ数日吉原理恵子さんの作品を再読してました。話自体は進まず、同じエピソードの視点を変えただけという内容が多いのです。作品自体好きですし、一つ一つのエピソードを大切にしてるとも取れるので、もどかしさを感じつつも新エピソード展開が楽しみになる。
 けれど、アレやコレを何度も焼き直しして出版社や挿絵を変えて発売するのはどうかと思う。その1点のみは嫌いだ。大塚英治と同列で。大先生の原作作品等はは好きですが、小説は今一。1つは小説というよりエピソードの羅列であること。もう1つは出版社を変え何度も同じ作品にちょっと手を加えて(ある意味小手先のエッセンスを加え)発表すること。
 吉原さんに関しては「闇の鼓動」と「子どもの領分」の完結、大塚さんに関しては「多重人格探偵サイコ」の完結を望んでいます。


 インディゴの夜、読みました。感想としては微妙。つまらなかったかと聞かれればそうでもなく、面白かったかと聞かれればそうとも言えず。推理小説としては今一弱く、キャラクター萌えとしても今一。流行のファンションを追いかけているような人達向けだと感じる作品。(実際そういう人達は「小説」は読まなさようなんですが。)
 私のような「オバサン」には、同じく「オバサン」な主人公すらなんか浮いている。 萌えポイントが私のソレとはマッチしてないのだと思う。設定自体は好きな世界なので、なんか「勿体ない」。女性陣の作品に置けるポジションが好みじゃないのだと思う。主人公の女性は出版関係の職業なのだけど、それが活かされていない。作品が進むほど「自分の店の男の子を使う自意識過剰な女」に見えてくる。働く女性は好きだが、何かが違う。こまっしゃくれたガキを最後にはラブリーキャラでまとめてるのも違和感を感じる。
 ホストキャラのミステリアスな部分は興味が惹かれるが、主人公である晶に腐れた部分が皆無なので、なんの妄想も湧かない。本当にこの作家さんは女性なのかと思う。
 う”〜ん。スタイリッシュに割り切った作品としては女性陣への思い入れ(=いい人キャラ)が強すぎる。もっとさサバサバしてくれればもっと好きになったと思う。もしわたしなら……。晶は助けた女性達に自分の思いとは違い裏切られたエンディングになり、そこをユーモアをもってホストキャラにもり立ててもらう落ちにすると思う。
 そもそも。あんな素敵な設定を思いつく脳みそは私にはありませんが。(ツンデレ