シカマルが……

 カミングアウトΣ
 昨日のアニメNARUTOを観ていたら、シカマルがシカク(父親)に「ナルトと一緒に同じ道を歩きたい」言ってませんでした!?? 私の妄想ですか!???
 ぜいはぁ、ぜいはぁ。
 それを受けて、シカクもナルトを信じて……って。幸せになってください(感涙)
 のハズなんだが。当のナルトは相変わらずサスケまっしぐら。
 頑張れシカマル! 私はシカナルを大プッシュじゃぁ!!!!
 なんだかとっても嬉しくなったので、以前携帯サイト(閉鎖済み)に掲載したシカナルSSを再アップします☆


以下興味のない方リターンで;;


天空乃亜さんからの64500hitリク
富くじ。」


角のタバコ屋にナルトの姿を見つけた。
あいつは吸わねぇし、カカシにでも頼まれたのか?
そう思いながら見てると、金を払い終わってくるりと振り返ったナルトはオレを見つけ、小走りに近寄ってきた。
「よぉ」
「シカマルもタバコ屋さんに買い物だってばよ?」
「……いや……たまたま通りかかっただけだ」
本当は図星だったが、喫煙がタバコ嫌いのナルトにバレると面倒くせぇからシラをきった。
「今の間、怪しいってばよ」
「それより、お前何買ってたんだ?」
話を変えると、ナルトはたった今疑問に思ったことを忘れて(単純だ…)、ポケットから大切そうに数枚の紙切れを取り出した。
「何だ?それ」
見せてもらおうと手を伸ばすと、さっと退く。そんなに大事なものなのか?
そんなもんをタバコ屋で売ってんのか?
ナルトを伺うと、
富くじだってばよ」
紙切れに頬ずりしながらうっとりと応えた。
ナルトにそんなモンを買う趣味があったとは知らなかった。どっちかっていうと守銭奴だし、元が取れるかも判らないものに金を出すとは思えねぇが……。
「初めて買ったんだ」
やっぱり。で?どういう心境の変化で買ったんだか。
「この前、短冊街のスロットで大フィーバーしたって。今年は凄ぇツイテル気がする。絶対に当たるってばよ」
当てる気満々でいやがる。それも……一等を。はぁ…。
まぁ富くじは夢を買うようなもんだ。当選発表の日まで夢見せてやってもいいか。


「で、当てたら何に使う気なんだ?」
しるこが食いたいと言い出したナルトと甘味処に向かう道すがら聞いてみた。
一等賞金は一楽のラーメンを何杯食えるって金額じゃない。十年間、三食味噌チャーシューの大盛り喰ってもお釣りが来る。
「家を建てるってばよ」
それは大きく出たもんだ。でもこいつ、ガーデニングとか好きだし庭付き一戸建てを夢見てもおかしくはねぇな。貯金!とか言われるより健全だが……13の子どもの発想としてはどうよ?
「場所はやっぱり一楽の側がいいって。でも、イルカ先生のうちの側も捨てがたいって」
本気でうんうん考え出す。
「それに広い庭だろ」
夢が広がるのはいいが、でっかい家にぽつんと独りで暮らすナルトを想像し、チクリと胸が痛んだ。
オレが自分の家にいる時だって、親父たちが揃って数日家を空けるとその閑散とした空気に違和感を感じて意味も無く散歩に出ちまったりする。
甘味処でしるこを食いながら、ナルトはまだマイホームを夢想していた。
百面相をしながら必死になにやら考えるナルトの隣で茶を啜っていると、
「なぁシカマル」
顔を上げ、真剣な面持ちで声をかけてきた。
まさか保証人になれ、とかそこまで考えてるんじゃねぇだろうな。
面倒くせェ、と思いながら返事をすると、


「シカマルの部屋は南東のこの辺りでいいってばよ?」


食べ終わった団子の櫛の先に茶をつけ、それでテーブルのうえに家の平面図を書き、一点を指し示した。


「…は?」
「その隣りがオレの部屋だって。それともこの壁を無くして、二人で一緒の部屋の方がいい?」


ちょっと待て。それ以前に、いつの間にオレが同居する事になってるんだ!?
いや落ち着け。オレ専用の客間かも知れねぇし、同居を考えていてもオレの他にイルカやキバと一緒に暮らす気でいるかもしれない。


「他の部屋はどうなってるんだ?」


それとなく聞いてみたが、オレの想像空しく、ナルトの答えはどれも二人で同居を想定したものだった。


ナルトと同居。嫌な訳じゃねぇ。
むしろ…そうしたい位だ。
多少面倒くせぇ家事とかしなきゃならなくなるんだろうが、誰に気兼ねなくコイツといちゃいちゃ……。


緩みそうになる顔を慌てて引き締める。


ただ、そうなると問題なのはそれが「ナルトが建てた家」にオレが転がり込む構図。
ちょっと情けねぇよな。
少し考え、
「お前富くじいくら分買ったんだ?半分オレが出すぜ」
持ちかけた。それなら、当たった金で家を建ててもナルトとオレ二人の家ってことになるだろう。
首をかしげるナルトにそれを説明してやると、
「家を立てて好きな人と暮らすのは男の甲斐性だってばよ!」
なんて言いやがった。オレだって男だ。本当に判ってんのかよ。
時々コイツ、何を思ってかオレを「嫁」扱いしたがるんだよな。
……コイツも男ってことか?面倒くせぇ……。
それでも、尻ポケットから財布を出してナルトに幾らか手渡すと、
「シカマルも中忍になってツイてる事だし。貰っておくってばよ」
ナルトは笑い、今度は富くじをオレの前に並べてくれた。どの番号が当たりそうか他愛もない話をした後でオレは家に戻った。


「へぇ、ナルトが富くじを」
オヤジにナルトが富くじを買った話をした。全然知らなかったが、あの角のタバコ屋。当りが多く出る売り場とりて有名で、本業のタバコ以上に富くじで儲けてるらしい。
「なぁ親爺。オレ、この家出るかもしれねぇわ」
言うと、親爺は不信そうに目を眇めた。
「女のところにでも転がり込むのか?」
あんたじゃねぇって。台所に立ってるお袋も聞き耳を立ててる。
「そんなんじゃねぇよ。ただ……」
「ただ?」


「ナルトの富くじ。当たりそうな気がするんだ」



当選発表のその日まで。夢を見ててもいいんじゃねぇの?